多くの人は印鑑を「一生もの」として考えているようです。
しかし印鑑に一生物は存在しません。私自身も何度か改印もしていますし、実験も兼ねて新しい印鑑を作って使ったりもしています。
それでは、印鑑に使う材質の耐久性とはどのようなものなのでしょうか?
このページでは本柘印鑑の耐久性について書かせて頂きます。
本柘の印鑑は丁寧に扱うことで何十年も使えます
よく聞かれる柘の耐久性についてですが、木は柔らかいような印象がありますが、実際には思った以上に硬く、そう簡単に欠けるものではありません。
実際に私の個人印は一度も欠けたことがありません。
印鑑の材質で言えば、黒水牛は硬そうに見えますが、乾燥に弱く、保管しているだけでヒビが入る場合もあります。
象牙も硬い分落とせば簡単に割れてしまいます。硬いものはその反面もろいのです。(硬いものは一瞬の衝撃に弱いと言えます)
「象牙の印鑑を買ったが欠けてしまった」というお客様が、当店にも大勢来られますので間違いありません。
象牙は輪郭が欠けやすく、衝撃に弱い
どのような素材でも欠けるのです。
象牙だから欠けにくい、というのはイメージ上での固定観念でしかありません。
下記に印相学の歴史書の一部を抜粋して紹介します。象牙と黒水牛の素材について書かれています。
「漢の時代に禄高四百石以下の者は、いずれも象牙の印鑑を持たされたと文献にあるが、それ以外の官公印には使用されなかった。この印材の質は軟穏であるため、輪郭が自然に欠け易く、恒久性をもつ官公印には適さないといわれている」
「水牛の印材は、質が粗であるほか割れやすいために、古代から官公印としては用いるのを避けて来ているばかりではなく、一般人も心ある人は私印として使用するのを見合わせているほどである」
実際に私もフチが欠けた象牙印鑑を、数え切れないほど見てきています。
今流行りの悪徳商法で扱われる、水晶や宝石印鑑は更に欠けやすいのはご存知でしょうか?
逆に柔らかそうに見える柘の方がかえって大切に扱い、長持ちするものです。
(もともと体に弱い部分がある人が健康に気を遣い、長生きするのと同じです。故松下幸之助さんもそうでした)
「印鑑は一生物」はイメージだけの満足
この世のものは全て劣化します。
住宅もそうですし、鉄でさえ錆びて腐敗します。コンクリートもヒビ入ります。印鑑だけが一生物というわけはいかないのです。
どうしてか「一生物として印鑑を買いたい」という方がたくさんおられますが、世の真実を知ればそれは無理だと分かるはずです。
例えば、多くの人は一生物として家を建てますが、現在の建売住宅のレベルでは、せっかく建てた家でも15~20年でリフォームが必要になりますし。実際に築20年を超えてくると、余程の作りでない限り古く感じます。外壁塗装も15年に一度は必要になります。
マンションであっても内装リフォームは必要で、外観工事や塗装も定期的に行われます。
また、何百万も支払って購入した車は5年~7年くらいで買い換えるのが普通ではないでしょうか?
家電製品もパソコンも印鑑より高いのに、数年で買い替え。誰も一生物とは思いません。
ところが運気の元である印鑑にはお金を掛けたくない、一生物とは言葉はいいですが、結局は「一回しかお金を払いたくない」というのが本音なのでしょう。
「形に見える幸せだけにお金を使いたい」と。
実際そういう人はあまり運気も開きません。日々の想念が既に運勢を大切にしていない証拠なのですから。
運が開けば、今の生活もより向上します。
より良い車に乗れて、より良い家に住めるかもしれません。
幸せになるためには、まずそういう貧乏性の心を改める事が大切なのではないでしょうか?
僅か数万円の印鑑の耐久性を気にして、象牙を検討するのは意味のないこと。
象牙の印鑑を一生使用しても、逆に一生運は開きません。
大吉の国産本柘を使えば、万が一、10年で欠けてしまう事があったとしても、その10年間は大吉の人生です。
果たしてどちらが得なのでしょうか?一日一日の運気の違いが、10年経てば莫大な差となるのです。
印鑑には耐久性より素材が大吉かが一番重要
印鑑は自分の分身なので、使用者に凶意が迫っている場合には、その人の身代わりになってくれる場合があります。
「下駄や靴紐が切れて不吉な予感がする」等の例がありますが、印鑑はその人の不幸を背負って身代わりに欠けたり割れたりする場合もあるのです。
(この場合は、柘でなく高額な象牙であっても同様に割れます)
その時は「印鑑が身代わりになってくれたんだ」と、逆に印鑑に感謝するのが、縁起物との正しいお付き合いの仕方なのです。
そして、新たな思いで印鑑を新調すればいいのです。
立派なスーツを着て一流の気分になり一流の評価を受ける、しかし、破れてしまったらまた新調する、印鑑も同じです。
そのような謙虚で前向きな心を持って生きることが、幸せな人生を送る上で必要なのではないでしょうか?
そのような明るく軽やかな想念の元に良い運気もやってくるのです。
国際数霊印相学会では、開運印鑑で皆様の運が開き、生活も心の中も幸せになるように、そう願いながら開運印鑑を彫らせて頂いております。
このページの最後に、印相学の歴史書には柘について下記のように語られていますので紹介します。
「古代から現在まで伝統的に使用されて来た印材である。常磐木で太陽のよく当たる地方に産し、木印の中で最も質が硬く、感触と印影に温かい情味があり、生彩豊かなものである。金介老詩編の註に「元来明人多用黄楊木印」ち記されてあり、古今、最も多く用いられた印材である」
印鑑は人の魂の宮。だから素材は生きていた方がいいのです。
死んだ素材は生気を持たず、そこに人の魂宿しても魂が穢れるだけです。
だから「優しくて温かい、木の素材を皆さまには選んでほしい」。そのように思ってます。