感情は人生に大きな影響を与えます。
普段何を考え、何を思うか。感情だけでなく思考そのものも同じことです。
マイナスの情感は心だけに止まらず、肉体にも影響するものです。ストレスが病気の原因になるというのは皆様ご存知の通り。そして今まで気づかなかった、人知れず抱いてきた想念の蓄積が病気を招いているケースもあります。
心の持ち方でも病気になることがある
以前に私が面会した学生の若者はアトピーで苦しんでいました。
普段は前向きで「世のため人のために役立ちたい」とボランティア活動に励んでおられます。その言葉と行動から、立派な若者と言えます。
しかしアトピーは何をやってもだめ、かなり辛そうでした。
アトピーの現実的原因の一つに、化学物質があります。
以前は住宅の建材に多量に使われ、それが原因になったりしていましたが、この方の場合は違うようです。
話をしている間に一つの原因が見えてきました。
「ひょっとして誰かを恨んでいませんか?小さい頃の記憶の中に、例えば家族関係とか」
急に若者の態度に変化がでてきました。
「はい、あるかもしれません。実は家族からひどい目に合い、いじめのような状況がありました。許せない想いでした」
「今でも恨んでいますね?」
「はい、家に帰る度に許せない想いが沸いてきます」
「その憎しみと怒り、家族に対する敵意がある間は、今の苦しみは取れませんよ」
私はアトピーの原因を心の憤りと捉え、改心を促します。
実際に、アトピーが出始めた時期と、家族問題が出た時期はピタリと一致します。強いストレスが肌荒れやジンマシンを起こすことは知られているように、強い憤りの感情の蓄積は、肌に現れるのです。
言葉も心の状態も潜在意識に刷り込まれる
同時に潜在意識の法則を説きます。
マイナスの情感が潜在意識に到達すると、マイナスの現象で自分が苦しむようになります。
これは必ず起こる法則です。結局は自分で自分の苦しみを生産していたのです。
それを治すのは自分自身。
「人のせいで自分が苦しんでも意味がありません。だから悔しい気持ちは分かるけど、家族を許しなさい。そして人を恨んだ自分自身をも許しなさい」と。
若者にはこの言葉がとても腑に落ちたようで、納得して心晴れやかに帰っていきました。
このようなケースは何度も見ています。
マイナスの感情は最終的には自分を破壊するもの。
心のわだかまりを解き、人を許すだけで改善するケースが実は非常に多くあるのです。