屋久杉の開運印鑑を買わない方がいい理由とは【圧密加工処理】のデメリット

屋久杉は開運印鑑にはならない 印鑑素材

当店は開運印鑑の素材にこだわっており、国産の本柘素材しか取り扱っていません。

これは多くの別のページにて説明してきた訳ですが、中には「人と木の相性がいいのは分かりました。それでは他の木はどうなのでしょうか?」とご質問される方もたまにいらっしゃいます。

  • 桧や杉、松などはどうなのでしょうか?
  • これらは吉相の木として有名です。柘とは違った別のパワーを発揮できるのではないでしょうか?

といった具合です。

そして最近多いご質問としては、「樹齢1000年の屋久杉は印材としてどうなのでしょうか?」というものです。

確かに屋久杉はいかにもご利益やパワーがありそうですよね。これで開運印鑑を作ったら開運しそうだと思うのも無理もないことです。実はデメリットしかないのですが。

本柘しか印材にならなかった理由を考える

それでは、そもそも何故現代まで、数ある木材の中で柘のみが印鑑の吉相材質として扱われてきたのでしょうか?

桧や杉は印鑑の誕生時から存在していました。しかし平成になるまで印鑑の素材として使用されてきたのは柘のみです。

その理由は、印鑑という用途に適した硬度と耐久性を兼ね備えた自然素材は、柘しかなかったからです。

さらに柘は「神が降臨する木」とも言われており、強い開運エネルギーを秘めていることを当時の優秀な職人や印相家たちが見抜いていたのでしょう。

ちなみに桧や杉は吉相の木ではありますが、その材質の特徴を知るならば、最初から印鑑の素材として選択にすら入りません。それは素材として柔らかいからです。

平成以後、木材でも柘以外の製品がいろいろ出てきましたが、これらは商売として常に新しい物を発表していかないと業界が伸びない、という売上アップの手段として考え出されたものです。

昔はそのような商売根性はなかったため、本当に適した良い物しか扱ってこなかったのです。だから柘のみが印材として使用されてきたのです。これが歴史的真実です。

屋久杉は伐採禁止なのに売られている理由

それでは樹齢1000年と言われている屋久杉はどうなのでしょうか?

上にも書きましたが、杉は相当柔らかいので、印材には適していません。本来ならこれが答えで、これ以上説明は不要です。

1993年に屋久杉が世界遺産に登録されると、樹齢1000年の屋久杉の伐採は全面的に禁止になりました。要するに本物の屋久杉が市場に出回ることは一切ありません。

それでは印鑑として売られている屋久杉は何なのでしょうか?

流通している屋久杉は全て土埋木

土埋木(どまいぼく)とは、その漢字の通りに「土に埋もれた木」のことです。

主に江戸時代に伐採されたり、台風で倒れた切り株を再利用したもので、土埋木だけは市場で売買が許されているのです。

現在多くのショップで販売されている屋久杉の印鑑は、全て土埋木です。

土埋木の問題点とは

土埋木は、江戸時代に伐採された切り株で、役目を完全に終えた残骸です。

もちろんそこから新しい枝も一切生えることはなく、朽ちる一方で「生命を失った衰退の木」と言えます。さらにそもそも杉なので柔らかいため印材には適しません。

しかし、ここで人の手が入ることになります。

この状態のままでは使用に耐えない、しかし歴史のある屋久杉をそのまま廃棄するのはもったいない。そこから再利用して商売につなげる工夫がされるようになりました。

杉の柔らかさを補うために考え出されたのが、「圧密加工処理」です。

強烈に木を潰して圧縮し、形を整えてあたかも普通の木のように見せかける人口処理技術です。これを40%まで圧縮して強度を高めたのが、印鑑として売られている屋久杉になります。

見た目は綺麗に木目を保っているように見えますが、実際は既に生気を失った残骸であり、人工的に潰して固めた素材が【樹齢1000年の素材を使った印鑑】として、大々的に宣伝されている屋久杉印鑑の裏の事実です。

「繊維はそのままで」と書いているサイトや販売店もありますが、強烈に圧縮プレスしておいて繊維がそのままの訳ありません(笑)細胞という細胞は潰され破壊されるはずです。それを外見だけ自然に見えるように人工的に処理加工しているに過ぎません。

お店では「世界自然遺産に自生している樹齢1000年以上の杉のみが「屋久杉」の名称を名乗ることができます」とあたかも天然自生の生きた屋久杉を使用しているような、消費者を錯覚・混同させるような表現を用いていますが、これは明らかにイメージ商法ということができます。

この事実を知るならば、屋久杉を扱うお店のモラルが疑われ、そのお店はお金儲け主義か単なる事実を知らない無知のどちらかであると理解できるでしょう。

屋久杉はハンコとしてはOKだが、開運印鑑にはならない

ここまで説明すれば、屋久杉は印相的には問題があるとご理解いただけるのではないでしょうか?

実際にはんこ業界の展示会に行くと、業者がパンフレットを持って宣伝しています。私も営業されたことがありますが、即効スルーしています。

印相では、あくまでも自然そのままの状態である木を印材にすることが大切なのです。圧縮加工は問題外です。

ただし、木であることには変わりありませんので、悪い波動が入っている訳でもなく、強度は保たれていますので、普通のハンコとしては問題ないという結論になります。

ただ、人を開運に導くエネルギーは、宣伝文句とは裏腹に「ない」と言えます。むしろ木が生きているとしたら、逆上することでしょう。【木霊の祟り】というのも実際にあるようです。

これを人間に例えると分かりやすいですが、自分そのものを役に立ててくるのであれば喜びますが、弱いからと言って潰して固められたらどうでしょうか?

答えは明白です。

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